カクテルパーティー効果という言葉をご存知ですか? カクテルパーティー効果とは、聞きたい情報だけを選別する脳の仕組みのことです。
カクテルパーティーって日本人にはあまりなじみがありませんが、お酒を軽く飲みながら複数人で談笑しているイメージと言ったら、わかりやすいかもしれません。
この効果を使うと、片思いの恋愛やプレゼンなどの仕事の場面で、より効果を上げることができるんです。
今回は、人間関係に役立つ「カクテルパーティー効果」についてと、その利用例をご紹介します。
「カクテルパーティー効果」って何?
カクテルパーティー効果とは、カクテルパーティーのように様々な音が飛び交う場所でも、聞きたい相手の言葉ははっきりと聞こえるという状態を表すものです。
例えば仲間と居酒屋で飲み会を開いたとしましょう。たくさんの客の思い思いの話し声や笑い声、騒々しい音楽、そして店員さんの大きな叫び声や食器を片付ける音など、居酒屋では一度に多種多様な音が混ざり合っています。
普通ならそんな状況では耳元で話さないと聞こえないレベルですが、なぜか自分のグループの人の話し声だけは、はっきりと聞き分けることができると思いませんか?
また、電車の中でつい居眠りをしていても、自分の降りる駅がアナウンスされるとパッと起きたという経験がある人も多いのでは。
この「雑多な状態でも特定の音を聞き分けられる状態」を、カクテルパーティー効果と言います。
なぜ特定の音が聞こえるの?
雑音ばかりの中でも特定の音が聞き分けられるのは、脳がそのような働きをしているからです。脳は、自分に必要な音情報だけを拾い上げることができるんですね。
人間は2つの耳で音源の位置を特定し、そこに注意を向けることができます。また、実際には聞こえなくても、その人の口の動きなどで予測し、脳内で音を補っているという実験結果もあります(アメリカの音響学者ロックナーとバーナーによる実験)。
カクテルパーティー効果がもしなければ、耳に入ってくるすべての音が平等に同じ大きさで聞こえることになります。繁華街の人通りの激しい交差点などに行ったら、その音圧の凄さに1分とその場にいられないでしょう。
そのため、脳は自分の興味のある音や、必要のある音にだけ反応して拾い上げるという能力が備わっているのです。人間の脳は、なんともうまく出来ているものですね!
ただし、感覚過敏の人はこの機能が弱い場合があります。すべての音が同じように聞こえてしまうので、いくら興味があっても特定の音を区別することが難しいのです。
ですので、感覚過敏の人がまわりにいた場合は、訓練次第で聞こえるようになるなど安易に考えずに、静かな環境を選んだりする配慮も必要です。
それでは、次の章ではカクテルパーティー効果を活用する方法をご紹介します。
カクテルパーティー効果を片思いの恋愛に活用する
カクテルパーティー効果を恋愛に活用する方法とは、相手が興味がある情報を話題にして、あなたに興味を持ってもらうことです。
例えば、あなたの密かに思っている相手が、あるバンドが好きだとします。あなたとそのお相手は、まだあまり親しくありません。そんなとき、あなたはそのバンドのコンサートの話や音楽の話などを、相手の耳に届く範囲で時々話題にすればよいのです。
相手にわざと聞かせようとしなくても、あなたが度々そのバンドについて近くで話していれば、相手にはカクテルパーティー効果で自然に耳に入るのです。
すると、「あれ?、あの人いつも自分の好きなバンドの話をしているな。もしかして、共通の趣味なのかも」と意識し始めるでしょう。
意中の相手とどう近づけば良いかわからない場合、カクテルパーティー効果を用いれば、自然と気づいてもらうことができます。
カクテルパーティー効果を仕事に活用する
ビジネスの場面では、プレゼンなどでカクテルパーティー効果を用いるのが有効です。
例えば、このプレゼンではどうしても勝ちたい! というときには、プレゼン中に相手の気になる企業名や商品名などのワードを散りばめればよいのです。
これは、視覚の場合で言うサブリミナル効果と同じようなもので、相手の無意識に度々訴えかけることで、印象を強くするという効果があります。
カクテルパーティー効果のまとめ
今回は、カクテルパーティー効果について説明してきました。
カクテルパーティー効果とは、脳が自分の興味や必要のある情報を選別して聞く機能のことです。片思いの人や仕事でうまくいきたい人は、この効果を上手く利用して、相手にインパクトを与えることが出来ます。
相手に自分を印象づけたい時は、ぜひカクテルパーティー効果を試してみてくださいね。