アサーションとは? 自分も相手も大事にして苦手な対話を克服する方法

人と話すのが苦手で、人間関係にストレスを抱えていませんか? そんなストレスをなくして、人との関係を円滑にできるのが「アサーション」です。

アサーションは人も自分も尊重してWinWinになれるコミュニケーションスキルです。

こんなお悩みがある人には、ぜひとも知っていただきたいです。

  • 自分の言いたいことを我慢してしまう
  • 相手を優先して聞き役に回ってしまう
  • 人と話すのが疲れる

アサーションを知れば、自分の言いたいことも無理なく伝えられるようになり、かつお互いの意見を尊重しあえるので、心のわだかまりも残りません

今回は、そんなアサーションについて、詳しくご紹介します。読み終わる頃には、あなたもさっそく誰かと話してみたくなりますよ!

アサーションとは?

アサーションとは、「自分と他人を大切にするコミュニケーションの技法」のことです。

この技法は、1949年出版の『条件反射療法(Salter:著)』に由来します。

精神的に問題を抱えて抑圧された環境にいる人は、「自己主張」によって人間的な回復を果たすという考えで、行動療法や対人療法の一環として発達してきました。

また、人種差別や性差別などにも大きな影響をもたらし、現在では教育や企業の研修などにも用いられています。

もちろん、このスキルは個人的な職場の人間関係学校での人間関係のほか、家族や友人、恋人や近所付き合いなど、幅広い人間関係において使うことが可能です。

自己主張といっても、自分の主張を強く押すというわけではありません。主張するにもいろいろな方法があります。

次は、自己主張という観点から考えられる、3つの人間のタイプをご紹介します。

自己表現の3つのタイプ

アサーションの技法をご紹介する前に、人間を3タイプに分類する考えを説明します。この3タイプを踏まえた上で、アサーションの有効性を探っていきましょう。

TYPE1. 攻撃タイプ

攻撃タイプは、いわゆる「自分の主張を押し通す」タイプの人です。

このタイプの人は、自分の主張は声高に相手に伝えますが、相手の主張は無視します。なぜなら、常に相手より優位に立つことを良しとし、人に「勝ちたい」と思っているからです。

このタイプの人は「私は良い,相手はダメ」という考えを根底に持っているため、自分の意見を押し通さなければ気が済みません。威圧的に押すだけでなく、時には巧妙に相手をコントロールすることもあります。

TYPE2. 非主張タイプ

非主張タイプは攻撃タイプとは反対に、相手の意見を優先させるタイプです。

このタイプの人は、一見優しいようですが、気が弱く自分の主張を言うことができません

そのため言いたいことを我慢したり、あいまいな受け答えや言い訳をしてやり過ごすため、ストレスが溜まります。

自分の意見はどうせ通らない、誰にも分かってもらえないという諦めの気持ちが根底にあり、「相手は良い、私はダメ」という価値観です。

また、「あなたの言うとおりにしたのにうまく行かなかった」と相手のせいにして責任回避をする場合があり、依存心が強いのが特徴です。

TYPE3.  アサーティブなタイプ

アサーティブとは、アサーションな態度のことをいいます。

アサーティブなタイプは、自分の主張を率直に伝える反面、相手の主張も同様にきちんと聴きます

このタイプの人は、「自分も良い、相手も良い」という姿勢を持っているので、その場にふさわしい発言ができます。お互いの主張を出し、話し合いのうえ納得しあって物事を決めることができるので、お互いにしこりが残りません。

自分だけの主張をぶつけるのでもなく、相手の主張だけを取り上げるのでもありません。お互いを同じくらい大切な1つの個として取り扱うのです。

結果、場の雰囲気に合わせた発言ができるようになり、バランスの取れた人間関係を築くことができます。

アサーティブなタイプになるには

では、実際にはどうすればアサーティブになれるかを説明します。

あなたはどのタイプ? 簡単な診断テスト

まずは、簡単な質問に答えてみてくださいね。

Q.電車の切符を買うため、列に並んでいたところ、自分の前に横から他の人が割り込んできました。この時あなたはどう対応しますか?

1. 内心ムッとしたが、相手には何も言わない。
2. 怒りを感じて、相手が割り込んだことに対して怒鳴り、列からどかせようとする。
3. 自分が先に並んでいたことを相手に伝えた後、丁寧にしかしはっきりと後ろに並んでほしいことを頼む。

参考:日本・精神技術研究所

1を選んだ人:自分の言いたいことを伝えられない、「非主張タイプ」です。

2を選んだ人:相手の言い分も聞かず、自分の主張だけを押し通す、「攻撃タイプ」です。

3を選んだ人:自分の主張をはっきりと伝えられる「アサーティブタイプ」です。相手の言い分もあることや、葛藤が生じることも覚悟していますが、歩み寄ろうという気持ちも持ち合わせています。

あなたはどの対応を取ることが多いですか? 上の問いに対する答えのパターンが多い人は、そのタイプであると言えます。

でも、1や2を選んだ方も、これからご紹介するアサーティブになれる方法をマスターすれば大丈夫です!

すぐできるアサーティブなコミュニケーションの実践3つ

では、すぐにできるアサーティブなコミュニケーションの方法を3つご紹介します。

  1. I(アイ)メッセージでコミュニケーションする
  2. “お願い表現”でやんわり伝える
  3. 気持ちをつけ加える

1. I(アイ)メッセージでコミュニケーションする

I(アイ)メッセージとは、「私は〜と思う」と、私から発信するコミュニケーション方法です。

たとえば、恋人が待ち合わせに遅刻してきたとしましょう。

You(ユー)メッセージの場合
「どうしてあなたはいつも遅刻するの!?」I(アイ)メッセージの場合
「私はもっと早く来てくれると嬉しいんだけどな」

どうでしょう。印象がぜんぜん違いますよね。

「あなたは」と言うと相手を責めてしまいますが、「私は」から始めると、自分の気持を相手に伝えることができます。

2. ”お願い表現”でやんわり伝える

あなたの中の「〜すべき」「こうあるべき」などの基準で発言すると、価値観の押しつけになってしまいます。

しかし、「〜してください」「〜してほしいな」とお願いする表現で伝えると、相手を立てている感じになり角が立ちません

人は、お願いされると悪い気はしないものです。

3. 気持をつけ加える

「〜してくれると嬉しいな」「〜してもらえると助かります」など、自分の気持をつけ加えると、正直な気持ちが伝えやすくなります

これら3つの方法は、子育て中の子どもに対する姿勢などでもすぐに活用できます。

たとえば、子どもがなにか悪さをした時、頭ごなしに叱るのではなく、なぜそれをしたのかまず理由を聞いて、「次からはこうしてくれると嬉しいんだけどな」と伝えます。

そうすれば、子どもを尊重しつつも、いけないこと・危険なことだと説明でき、子どもの「一方的に怒られた」という気持ちを回避できます。この積み重ねによって、子ども自身の自己価値や、大人への信頼感を高めることにもつながります。

自分を大事にする大切さ

さて、アサーティブを実践すると、自分を大切にできるようになります。

相手を優先することは、思いやりがあるようですが、相手ばかりを大切にして自分自身はちっとも大切にしていません

私達は、「自分を後回しにすること」は、奥ゆかしさや謙虚さという日本人の美学として教育されてきました。

しかし、自分を大切にすることは、とても重要なことです。

なぜなら、自分の感情をなおざりにするのは、自分の心に嘘をつくことだからです。

人間は、自分を満たしてはじめて他人へも愛情を降り注ぐことができます。まるで、一番上のグラスが「自分」で、その下が家族、その下が友人知人といった構成の、シャンパンタワーのように。

自分が満たされていない人は、満たされない理由を他人のせいにしたり、社会のせいにしたりしはじめます。

すると、物事を歪んだフィルターを通してしか見られなくなって、人間関係の悩みや、新たなストレスが生み出されるのです。

アサーションのまとめ

今回は、アサーションについて、ご紹介してきました。

アサーションとは「人も自分も大切にするコミュニケーションスキル」です。また、アサーティブとは、アサーションな態度のことです。

人には次の3タイプがあります。

  1. 攻撃タイプ
  2. 非主張タイプ
  3. アサーティブタイプ

この中で、アサーティブタイプは人を攻撃やコントロールすることも、自己卑下に陥って歪んだものの見方をすることもなくなります。

アサーティブタイプになる方法は、以下の3つです。

  • I(アイ)メッセージ
  • ”お願い表現”
  • 自分の気持を付け加える

アサーティブのスキルを使えば、人も自分も同じくらい大切だと思えるようになってきますので、ぜひ実践してみてください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする